11月3日(金)、参加者はパリ国際大学都市日本館大サロンにて現地の学生との対話イベントを実施しました。参加者はイギリスでの対話イベントと同様に学生同士で意見を交わしました。
越智 歩
発表概要
○農業体験を通じて若者の感情に訴え、環境問題について考えるきっかけを与えている。
○ユネスコによると、世界中の多くの若者が環境問題について無関心であることがわかっている。
○原因の一つとして、世界的に環境問題についての教材や教育の質が低いことがあげられており、今後それらを充実させていくことが必要。
グワナエル・ビグル
発表概要
○地球温暖化はただ気温の上昇だけではなく、人類同士の争いを招き世界平和を脅かしている。
○2003年、スーダンでは地球温暖化による干害の影響で争いが勃発したという事実がある。
○自身の研究を通じて、博物館は人々の問題意識をかりたてることに気づいた。それを地球規模課題の解決のための意識改革に応用できる。
庭田 杏珠
発表概要
○ 被爆者の高齢化や減少が進む中、被爆者から直接話を聞くことのできる最後の世代としてどのように戦争経験を未来に受け継いでいくか。
○ 対策の一つとして、戦前の白黒写真をAI技術や被爆者との対話を通じ、カラー化することを始めた。
○ 被爆者の思いを受け継ぐため、一人一人がその声を聞き、自分なりの方法で発信することが重要。
オルネア・ナギサ
発表概要
○平和教育は、被爆者の体験や思いを次世代に受け継ぐためや、戦争が二度と繰り返されないために行われている。
○広島で平和教育を実施している学校についての研究を通じて、多くの教師と生徒がその必要性を感じていたことがわかった。
○ 教材の改訂などにより平和教育が扱われなくなることも懸念されるが、平和教育は国際平和のためには必要不可欠であり、今後も引き続き行われるべきである。
中本 結子
発表概要
○ 芸術や文化は贅沢で必要ないと言う人々がいるが、それらは言葉の力を凌駕し、多様性の容認や平和構築において大きな役割を果たす。
○ ソフトパワーは他国の文化や価値の理解を促進し、長期的な国際関係の構築を可能にする。
※「ソフト・パワー」とは
「ソフト・パワー」という概念は、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授によって最初に定義づけられました。ナイ教授は、軍事力や経済力によって他国をその意に反して動かす力が「ハード・パワー」であるのに対し、その国が持つ価値観や文化の魅力で相手を魅了することによって自分の望む方向に動かす力が「ソフト・パワー」であると説明しています。(外務省HPより抜粋)
コロ・レミ
発表概要
○ロシアによるウクライナへの侵略により、ヨーロッパの平和が脅かされいる。
○多くの国にとって平和と民主主義のモデルになっているEUの創始者として、フランスは国際平和の保持に貢献していく責任がある。
○憲法に戦争の放棄が明記されている日本が国際平和のために果たす役割はとても大きい。
神里 晏朱
発表概要
○世界では、食料生産量のうちの1/3が廃棄されており、エネルギーの無駄遣いや温室効果ガスの排出をもたらしている。
○日本やG7参加国でたくさんの食料廃棄が行われている。
○政府がどれだけ対策を講じても、消費者の行動が変わらなければ持続可能な社会は訪れない。
レジダル・ガエル
発表概要
○多くの国々が経済発展のため、まるで無限にあるかのように過度に資源を搾取し、環境破壊をしている。
○解決策の一つとして「森の幼稚園」という教育手段がある。
○「森の幼稚園」は自然とのふれあいを通じて子供達の社会性や創造性を養い、人類も自然の一部ということを認識させてくれる。
黒瀬 陽音
発表概要
○ 近年性別など様々な分野で人権が保障されてきているが依然として解決されていないこともある。
○ かつて私は様々なことに劣等感を感じていたが、学生同士で人権等について議論する場を積極的に設ける活動を通じて、自尊心を持つことが他者の人権を尊重することにつながると気づいた。
○ 一人の高校生にできることは限られているが、一人一人の力を合わせることで大きな成果を望むことができる。
アイ・イスマイル・ルシエヌ
発表概要
○第二次世界大戦後、1948年の世界人権宣言などにより、国際的に人権を保障するための動きが出始めた。
○人権保障のための動きが出始めてはいるが、人権は万能ではなくもろく複雑なものであり、時には機能しないという認識も必要である。
発表後のディスカッションでは、それぞれのテーマについて考えるようになったきっかけのほか、国際平和の実現のために、過去の出来事を様々な形で次世代に伝えていくことや、他国の歴史や平和の取組についても知ることの必要性について、それぞれの経験や考えを共有しました。