広島は、人類最初の被爆地として、核兵器が実際に使用されるとどのような悲惨な結末をもたらすかを示しております。 他方で、平和の礎があれば、現在の広島のような復興・発展が可能となることを示しています。
こうしたことから、広島には、 国際平和に貢献していく使命があるとの考えから、平和貢献活動を持続的に支援する仕組みの構築に向けて、企業やNGO など多様な主体が、 役割を発揮して、世界の至る所で、平和な社会で安心してビジネスを行える環境づくりを目指しております。
折しも、2015 年の国連総会で、より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求する「 我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための2030 アジェンダ」 が採択され、SDGs ( 持続可能な開発目標) が掲げられました。
こうした中、広島県では、SDGsの推進役として、 日本政府に「 SDGs 未来都市」 の一つとして選定される中で、SDGsを通じた国際平和の実現に向けた取組を加速していくため、「 国際平和のための世界経済人会議」を開催し、平和の取組を生み出すプラットフォームの構築を進めていくとともに、 ビジネスセクターのSDGsへの参画を促進する広島発のエコシステムの形成を目指して、「SDGs ビジネス・スタートアップ・プログラム」を開始することとしました。
この「 未来につなげるSDGs とビジネス」は、地元企業によるSDGs ビジネスの先行事例のうち、魅力的な取組を事例集として取り纏め、広く紹介することにより、スタートアップ・プログラムを推進し、広島の機運醸成を図るとともに、SDGs ビジネスの強化を通じた国際平和へ貢献していこうというものです。
この事例集作成に当たっては、県内の大学生にお願いして、実際に企業を訪問・取材して、取りまとめていただきました。
こうした取組により、SDGs を通した国際平和の実現に向けて、広島が有するシンボル性を生かしつつ、県内外の様々なステイクホルダーの関心を高め、 平和の取組が自律的に生み出される仕組みを構築する中で、紛争地域や途上国を始め、 世界の経済の安定・発展に寄与し、SDGs の達成や広島県の地方創生に貢献していきたいと考えております。
終わりに、御参加いただいた企業及び学生の皆様、事例集作成に御尽力いただいた環境省中国環境パートナーシップオフィス様はじめ関係者の皆様に、心からの感謝を申し上げて、御挨拶といたします。