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“FACTORYからWACTORYへ”~3つのWA~
新和金属株式会社は主にめっき加工を担っている会社です。“FACTORYからWACTORYへ”(WAには三つの意味(和・枠取り・ワクワク)を込めている)をスローガンにSDGsに取り組んでおり、社員を大切にし、働く中で生きがいや楽しさを感じてもらうことがこの三つの「ワ」の基になっています。
これまでの取り組みにより、社員の離職率が減りました。またコーポレートカラーを用いて会社を改築し、ユニフォームを一新することで、社内外に目指している会社像を伝えやすくなりました。共感者も増え、社会福祉協議会や通信制学校と連携するなど、活動の幅が広がっています。また、この取り組みを通じてできた人との繋がりが、会社が発展するための足掛かりになればという思いがあります。
多様性を重視する社風に沿ったSDGs達成
新和金属株式会社の創業当初、創業者の奥さまが、働く場所に困っていた方を年齢や障害、性別に関係なく従業員として受け入れ、会社の基盤を作り上げました。現社長ご自身も精神疾患を患っていた人を亡くした経験があったことから、この「多様性を重視することにより会社は大きく発展する」という考えに共感しました。現在も、「偏見のない特性を活かした採用・人材配置」という考えを人事理念として大切にし、SDGsに取り組んでいます。
SDGsを意識した取り組みを発信することの目的として、新たなお客様へアピールしようとする狙いもあります。しかし、SDGsの発信のために会社の在り方を変えるのではなく、創業当時から大切にしてきた多様性を中心に、社風に沿ったSDGs達成への取り組みを実施しています。新和金属株式会社ならではの在り方を大切にして、会社の更なる発展を目指していきます。
会社理念とSDGs
政府が働き方改革を掲げ始めたころから、私たちも働き方について考える機会が増えましたが、学生の立場では実感がわきませんでした。ですが、今回のインタビューを通して、経営者の考えを学ぶことができました。会社の成り立ちを継いでいこうとする、創業者への尊敬の念が見えると同時に、人事評価制度など以前のやり方から一新してより会社を発展させていこうとする熱意が見えました。また、会社が率先して働きやすい環境、機会をつくるのは、社員と会社の双方にメリットがあることが分かりました。さらにSDGsを取り入れることは会社の在り方を変えることではなく、もともとあった会社理念に沿ったものであると知りました。今後も会社が持続する限り、会社の発展と共に、SDGs達成への取り組みが続いていくのではないかと思いました。
今回のインタビューで、会社理念や私たちの生活に沿ったSDGsの取り組みを意識することが2030年以降、どのように企業や私たちが社会問題に関わり続けるかに対しての解のひとつであると感じました。
取材者
原田ゆめの(安田女子大学・3年)
中津久瑠微(安田女子大学・3年)
帯刀萌花(安田女子大学・2年)
新和金属株式会社
安芸郡府中町茂陰1丁目8-7
082-282-5537