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地域活性化、さらなる挑戦へ
株式会社EVENTOSは、『食を通した農村活性化業』と題して、広島市安佐南区沼田町吉山地域にて、レストランの開業や商品開発、産直市などを行うことで新たな雇用を生みました。その結果、若者や主婦を取り込むことで吉山は賑わいを取り戻し、活性化の成功を収めました。しかし、コロナ禍で当初予定していた事業が行えず、新たに『食を通した地域活性化』と題した島根県江津市有福温泉町の再生プロジェクトを始めます。有福温泉町には1350年の歴史がある有福温泉がありますが、過疎化が進み、地図から消えると言われています。吉山を活性化させたノウハウを生かして、有福温泉町の活性化を目指します。その最初の目標として、2024年までに移住者5人を目指しています。
人生の選択肢の創造
有福温泉町の住人はとても大変な暮らしをしています。15キロ離れたスーパーで一回に大量の食料品を買うご高齢の方、また若い人は就職や進学の問題から、18歳で町を出て戻ってきません。中には残りたいと思う人もいますが、町の環境がその選択肢を消してしまいます。環境が人生の選択肢を無くすことは、SDGsの観点からみても解決すべき問題です。日本では相対的貧困が深刻になっており、過疎地域では、教育や基本的サービスへのアクセス不足の問題から貧困が進むと思います。この課題に対し、株式会社EVENTOSは、『食を通して幸せを作る』という思想を基にアプローチすることで、SDGsの達成にも貢献しています。故郷に残って価値を紡いでいく選択をできるように、地域活性化を目指します。
EVENTOSの覚悟
取材の中で、一番印象に残ったのは、川中社長の覚悟です。「ここまで限界集落に近いような場所を活性化させるのは容易ではないと思うが、その自信はどこから来るのか」と質問したところ、「自信はないが、覚悟は持っている」と仰いました。続けて、「コロナがあったから、場所が悪かったからと、人のせいにするから失敗する。最後まで責任と覚悟を持って、地域の皆さんと活性化を目指す」と仰いました。有福温泉や故郷を残したいという地域の方の想いを受けて、覚悟を背負うことができる強い想いに感銘を受けました。
取材者
岩見咲良 (安田女子大学4年)
吉川愛唯 (安田女子大学3年)
真壁幸優姫 (広島大学1年)
株式会社EVENTOS
広島県広島市中区舟入中町4-35
082-296-4200