脱炭素社会実現に貢献するオール電化アルミ溶解保持炉Super S-MICの開発と販売促進について |
SDGsのターゲット
9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
SDGsの取組内容
金属製品の製造過程で使用される生産設備である工業炉を提供する三建産業株式会社では、「熱とエネルギーにかかわる技術と商品とサービスの提供を通じて、地球環境の保全と人類社会の調和のとれた発展に貢献する。」という理念のもと、温室効果ガスの排出削減や、省エネルギー化・省資源化を実現する新技術・製品の開発に取り組んでいます。
豊かさを追求しながら地球を守ることを呼びかけるSDGsの考え方は、生産過程の省エネ化やリサイクル設備の提供によって、自動車やスマートフォンといった豊かな生活を支える金属製品の持続可能な生産を支える当社の事業のあり方と合致しています。
当社は、2020年に高効率浸漬ヒーターを使用したオール電化アルミ溶解保持炉「Super S-MIC」を開発しました。これは2010年に開発した「S-MIC」の改良版で、現在はこの「 Super S-MIC」のさらなる改良と販売促進に取り組んでいます。
アルミ溶解保持炉とは、自動車部品などを製造する鋳造機の横でアルミを溶かし、さらに溶けたアルミ(溶湯)が冷えて固まらないよう温度を保ちながら溜めておくための設備です。これまでは、アルミを溶かす際、ガスや重油を燃料として原材料を直接バーナーで加熱する方法が一般的で、この過程で大量のCO2が発生していました。
しかし、「Super S-MIC」は、バーナーを使用せず、アルミの溶湯に電気ヒーターを浸漬してアルミを溶解します。この加熱方式により、CO2の発生量を減少させ、再生可能エネルギーを使用した場合にはCO2ゼロでのアルミ溶解を可能にしました。
さらに、溶解の方法を火力から電力に変えることで、伝熱効率の上昇による大幅な省エネ化、酸化を抑制できることによる溶湯品質向上と原材料ロス低減、配管が不要になることによる炉体のコンパクト化などが図られ、様々な面から環境負荷を軽減できる設備と言えます。
今後は企業も消費者も、持続可能性を考慮して商品を作り、購入する時代になるでしょう。当社は「Super S-MIC」の拡販とさらなる改良を通じてこういった時代の求めに応え、誰もが暮らしやすい社会を将来にわたり守っていきます。
SDGsに取り組むためのポイント
アルミ溶解時の環境負荷を軽減する「Super S-MIC」をより多くのお客様に使っていただくことが持続可能な社会の実現への貢献につながると考え、新聞・展示会・webサイトを通じて製品に関する情報の発信を行っています。また、ヒーターや炉体のさらなる改良を続け、2019年には、ヒーターを生産するアテルム社(フランス)に出資し、ヒーターの安定供給体制とさらなる大容量化、長寿命化の実現に向けた開発体制を整えました。さらに、2020年末には研究用に顧客工場からS-MICを回収し、現在、炉体の腐食状況などの調査、炉体設計の改良を行っています。
三建産業株式会社
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