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国際平和拠点ひろしま

被爆鳥居・狛犬を知る

昭和20(1945)年8月6日,広島に投下された原子爆弾により壊滅的な被害を受けた広島の街。神社もまた大きな被害を受けました。

今回は,原爆に耐え抜いた鳥居や狛犬を紹介します。

広島護國神社(爆心地から200m)

<被爆後の護国神社の様子>
撮影/林重男氏  提供/広島平和記念資料館

 

広島城跡に構え,カープ球団が祈願に訪れることでも有名な広島護國神社は,以前は平和記念公園北側,旧市民球場の場所にありました。

爆心地から約200mの位置にあった神社は,社殿は爆風で跡形もなく倒壊しましたが,鳥居の1つと狛犬,石灯篭,幟立て等は倒壊を免れました。後に,鳥居は広島城跡の東側に,狛犬は現在の護國神社内に移設されました。

 

<広島護國神社の鳥居>

 

戦争物資の不足を補うために戦時中に公布された「金属類回収令」は,寺院・神社にも金属類供出の命が下りましたが,青銅製の狛犬は辛うじて免れることができました。
また,狛犬の台座は,爆風を浴びた面はざらつき変色していますが,爆風を浴びなかった部分は,滑らかな手触りで作製された当時の面影を残しています。

<広島護國神社の狛犬・台座>

 

また,残った鳥居とは別に倒壊した鳥居があり,その台座が広島市青少年センター近くで後年発見されました。

 

<広島市青少年センター付近で見つかった鳥居の台座>

鳥居の台座が見つかった広島市青少年センター付近

現在の広島護國神社の場所

白神社(爆心地から500m)

<被爆後の白神社。正面に見えるのが白神社境内>
撮影/川本俊雄氏  提供/川本祥雄氏

 

平和記念公園の近く,東側に位置する白神社には被爆した3対の狛犬がいます。白神社には狛犬のほか,原爆の熱線で赤く変色した石や被爆したクスノキもあります。

狛犬は鼻が欠けている箇所や黒く変色している部分があり,当時の熱線の強さが窺われます。また,常夜灯は基礎だけが残りましたが,後年に再建され当時の姿を取り戻しました。

<白神社の鼻が欠けている狛犬>

<白神社の常夜灯>

廣瀬神社(爆心地から900m)

 

爆心地から北西に位置する廣瀬神社には,被爆した四対の狛犬と鳥居が当時と同じ場所に配置されています。広島護國神社や白神社同様に,爆風で社殿は完全に倒壊しましたが,鳥居や狛犬はその姿を留めました。

特に,爆心方向に最も近い狛犬は,強烈な爆風を受けたことで位置が台座から斜めにずれ,台座に彫られていた神社の紋も失いました。後ろ足を失った狛犬の他,多くの台座にひび割れや欠けが多く見られ,爆風の凄まじさが感じられます。

<廣瀬神社の足が欠けている狛犬>

<廣瀬神社の台座がずれている狛犬>

また,被爆した手水鉢が近年地中から発見され,最小限の補修が施された後,境内に設置されました。

 <廣瀬神社の手水鉢>

 

被爆建物・樹木を知る

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