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国際平和拠点ひろしま

High-Level Political Forum on Sustainable Development「国連ハイレベル政治フォーラム特別イベント」セッション開催結果について

1.概要

(1)開催日

令和3年7月13日(火) 3:00~ 4:30[日本時間]

[現地では7月12日(月)14:00~15:30[NY時間]]

(2)要 旨

 国連経済社会局(DESA),持続可能な開発目標課(DSDG),ユニタールの3者により,実施される

「HLPF特別イベント」へ広島県/HOPeとして参加し,セッションを開催。
   (全10セッションのうち,1セッションを担当)

(3)テーマ

 核軍縮と我らの持続可能な未来 Nuclear Disarmament and Our Sustainable Future

2.実施結果

(1)参加者 当日オンライン参加者 125名 

 

(2)アンケート結果 [アンケート回答総数 30]

  ①評価

  ②居住国

 

 

(アルジェリア,オーストラリア,バングラデシュ,カメルーン,チリ,コートジボアール,エチオピア,フィジー,フランス,米国,インド,イタリア,モナコ,モロッコ,ナイジェリア,パキスタン,ポーランド,ルワンダ,セネガル,スリランカ,ベネズエラ)

  ③感想

  • 素晴らしいセッション,プレゼン,スピーカー共に大変よかった。
  • 英語圏ばかりではないので,通訳サービスを入れて欲しかった(仏語圏)。
  • 具体的で協働的な行動で,核の力に対抗していこうとするモチベーションが高まった。
  • どのように核兵器の投資を減少させ,教育セクターへ移行させるか洞察に満ちた内容だった。
  • 核兵器の費用は医療に向けられるべきと思った。
  • 最も特別イベントの主題に沿っていて,見識を高められるテーマだった。

 

3.主な内容

(1)知事ビデオメッセージ

(2)島田プリンシパル・ディレクター説明 

  • HOPeの活動紹介
  • 問題提起(核軍縮とSDGsをつなぐ)
  • COVID-19と核兵器問題の類似点,核兵器問題とSDGs,核のない世界への展望

島田プリンシパル・ディレクター発表資料(英語)

(3)登壇者による発表(発言要旨

 

【ユニタール総代表 ニキル・セス】

  • SDGsと核軍縮の関係は深い。SDGsは多くのリスクに直面。
  • 科学技術の誤った使用(放射能事故,核兵器)は脅威・リスク。
  • リスクに対して,ダメージを受けた後の事後対応には時間もお金もがかかる上,元通りにはならない。(COVID-19はSDGsが築き上げてきた前進を,深刻なほどに後戻りさせた。)
  • リスクを最小化し,危険を取り除いていくには予防がベストな政策である。

 

【NTIシニア・コンサルタント ダグラス・ショー 】

  • 核兵器とSDGsの繋がりについて,これまでたった2つの原爆でもあれだけの被害があったのに現在13,500発もある。もし使用されれば,どのような開発目標も吹き飛び,明らかに,最も貧しい人々へ最も大きな被害が及ぶ。
  • 現在,政治的な意思が欠如している。まずは世界の政治的,文化的なリーダーにこの折り鶴キャンペーンに参加してもらい,(#CranesForOurFuture),HOPeとともに,政治的意思を人々の声を通してあげてもらうことが必要。
  • ダグラス・ショー氏発表資料(英語)

【Prague Vision Institute for Sustainable Security副会長 バンダ・プロスヴォカ】

  • インド,パキスタンのような地域紛争も核が伴えば,放射能汚染水の影響で農業は営めず,飢餓が発生する。核の冬が到来する恐れもある。
  • パンデミックは,こうした恐ろしいシナリオが,実際におきることを示した。 軍事的安全保障から人間の安全保障へシフトせざるを得ない。
  • 人権が声高に叫ばれるが,核兵器と人権の問題にもっと注目が必要。核実験の影響を受けた先住民,住む場所に戻れない住民がいる。
  • バンダ・プロスヴォカ氏発表資料(英語)

 

【非営利型一般社団法人自分ごと化プロジェクト代表 鈴木健斗】

  • 世界中の全ての人が最低限の生活水準を満たすには,世界全体の予算のたった12%を使えば可能。なぜ,これらの人々は取り残されているのか。
  • 我々のような若者が問題を自分ごとにできてないことが原因ではないか。
  • 「自分ごと化プロジェクト」で,様々な国の地域の若者,歴史や文化や自分のことを語ってもらい,それによって自分事化してもらう。ガザとパレスチナや広島の高校とカブールの高校を繋ぎ,相互に学びあっている。
  • 鈴木健斗氏発表資料(英語)

 

(4)フリー・ディスカッション(発言要旨

私達は核兵器をなくせるか,どのように?
  • SDGsの達成も不可能だと批判される。2030年までに,本当に貧困飢餓を撲滅できるのか,全ての人々に健康と福祉を提供できるのか,エネルギーを提供できるのか。悲観主義が渦巻いているが,理想主義・目標を掲げることがスタートして,まず大事。核兵器の問題についても同じ思考が必要。
  • できるかどうかではなく,達成しなければならない。そのスタンスに立つ必要がある。
核兵器国を核兵器のない世界へ巻き込む方法について
  • 核兵器の問題を含む平和や安全保障の問題が,人権やSDGsの問題と,実際にはとても深く関わりあっているにも関わらず,そのように捉えられていない。そこの壁を崩す必要がある,国連においても,これは安全保障の問題だから安保理,そしてジュネーブや軍縮部が担当であり,別々の問題をごちゃ混ぜにするなと言われるだろう。国連にもこうした壁がある。これらの問題を一連として捉えて動かしていこうとするのは,大きなチャレンジになるだろう。
  • 過去10年で核兵器には1兆ドルもの資金が投入されてきた。世界で毎秒あたりに核兵器に費やされている費用で,どれだけの学生の学費の借金をカバーできるのか,どれだけ井戸が掘れるか,どれだけ病院がつくれるか,そういったことを若者で議論している。
原子力エネルギー問題について
  • CO2排出量を減らすという一方,核物質のリスク問題がある。核拡散につながる。核廃棄物の問題もある。核融合を含む多くの技術が問題を解決し,核物質の管理を可能にするかもしれない。一方,その反面,これらがいつも管理できるわけでなく,リスクがあることもよく分かっている。
  • 特に貧しい国にとって,これらの管理は困難を伴う。誰もが,原子力エネルギーが「クリーンでグリーンなものなのか」はっきりと断定でき,納得できる答えを示せていない。
  • 技術は進歩し,条約の解釈も変わる。諸刃の刃。核兵器管理の当初の目的は抑止状態下での不安定をなくすために技術を管理していくことにあった。安定的な状況を破壊させる技術は多様に存在する。様々な不安定要素をもたらす技術を積極的に管理していく必要がある。
  • 一方で,宇宙から監視したり,一般の人々に知識を提供したり,マシーンラーニングを活用して,核に関する活動を監視したり,核の検証を行ったりといった,10年前には考えられなかったことができるようになっている。
核兵器国は核があるため,抑止の安定性ができ,戦争にならないと言っている。安全保障を担保しながら,核兵器を無くしていくには
  • コロナの問題は,国家の安全保障から個人の安全をどう守るか,福祉と健康をどう守るかに注目が集まった。同様に,国家の安全保障から人間の安全保障にシフトさせていくべき。
  • 1945年の前にもロスアラモスの科学者達のころから,核兵器による倫理,抑止,戦略的側面については考えられてきた。すべてのコミュニティが若者や産業界を巻き込みながら,少しずつ武器を減らしていくしかない。このプロセスを繰り返して,少しずつ減らしていく。
  • 根本的には,核兵器国と非核兵器国,国家間の不信,懐疑心があるので,自分ごと化プロジェクトを通じて,国境を越えてパーソナルなつながりや問題意識の共有を広げて,もっと多くの人々に自分事化してもらう活動が必要。

4.当日の動画

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へいわ創造機構ひろしま(広島県地域政策局平和推進プロジェクト・チーム内)

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