修了証書授与式を行いました。(2月2日㈰ )
研修の全課程を修了したことを証して,池田塾長から修了生一人ひとりに修了証書が授与されました。また,塾長から受講生へのメッセージを頂きました。
池田秀雄塾長 挨拶(抜粋)
グローバル未来塾第4期生の皆さん,本日無事修了されましたことを心からお祝い申し上げます。広島県をはじめとして担当いただいた講師など,ご協力いただいた多くの方々にまず厚く御礼申し上げます。グローバル未来塾は,広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」の取り組みとして,国際平和を希求し世界的に活躍できる人材養成を図る目的で開始されたプログラムです。これからの将来を担う高校生の皆さんが国際平和について深く学び,何らかの形で将来にそれらを生かし,平和都市・被爆都市ヒロシマの主張・考えを国際的によく伝えることが出来るように,戦争・紛争,核兵器,核軍縮,核不拡散,貧困,国際協力などをテーマとしました。
2017年に核兵器禁止条約が国際社会で初めて成立したものの,唯一の核被爆国である日本は政府としては条約に参加しないことを表明し,広島県人の私は大変残念で複雑な気持ちでおります。また,アジアの近隣諸国である韓国,北朝鮮,中国との間でも次々に問題が生じ,ヨーロッパや北米でも移民問題を始めとして国家間の対立が激しくなり,ついにはアメリカと中国の対立はエスカレートするばかりです。さらに2019年,米国のトランプ政権はロシアとの中距離核戦力全廃条約(通称INF)を破棄して小型戦術核兵器の配備を始めるということで,世界の国々は大変危険な方向に走っています。
さて,塾生の皆さんは遠くから勤勉に通塾しました。英語の演習では最初の頃は,うまく話せない人もいましたが,演習の成果があがって,本日は各自立派な発表をしてくれました。皆さんの上達ぶりに満足しています。
講義では,戦争と平和に関して広く深く学習してもらいました。皆さんは今高等学校で,日本史,世界史,地理,物理,化学など多くの教科や科目として別々に学習して試験に追われていると思いますが,それらが複雑に絡み合って世界が動いていることに,今回の講義やフィリピン研修を通して気付いたのではないでしょうか。
海外研修では,出来る限り多くの場所や組織を訪問しました。スラムの極めて貧しい家庭の現実と,「モールオブアジア」とのギャップについて皆さんはどのように感じたでしょうか。
私が高校生の頃はこの様なプログラムはありませんでした。皆さんは大変恵まれています。皆さん一人ひとり無限の可能性を秘めています。夢と希望と高い志をもってそれらが実現する様に頑張ってください。そして,今回のように異なる学校の仲間と議論したことはあまり無かったと思いますが,この仲間を大切にしてください。私は皆さんが世界を,日本を,広島をリードして行くような人物になるように期待しています。
受講生代表挨拶(広島大学附属福山高等学校 瀬尾孝太朗さん)(抜粋)
今年はオリンピックイヤーであり,たくさんの外国人観光客の方々が日本を訪れることが予想されます。また,昨今の世界情勢に目を向けると,イランとアメリカの緊張状態が続き,中国の南シナ海における基地建設や,北朝鮮の核問題などまだまだ解決に至るには程遠いものです。では,英語の重要度が増し,日々いろいろなことが起きているこの世界の中で,未来を担っていく私たちには何ができるでしょうか。それは学び続けることだと私は思います。様々な問題を考え,解決に取り組むためには,基本となる知識が必要です。私自身グローバル未来塾を通して新たな知識をたくさん得ることができ,平和活動や国際活動をする上でそれがどれだけ大切であるかということを度々実感しました。これから先,グローバリゼーションの中で強いリーダーシップを持ち世界を創り出す人材になるためには,様々な困難があると思います。しかし,グローバル未来塾の経験、またそこから得た知識という素晴らしい道具は,目の前のものを乗り越えるだけでなく,今後の世界を大いに発展させる力を持っているのです。これからも未来塾4期生と共に“One Team”として日本と世界の発展のために勉強に励むことを誓います。
成果報告会を行いました。(2月2日㈰ )
「グローバル未来塾inひろしま」では,研修最終日に成果報告会を開催し,受講生及び講師に加え,保護者,学校関係者等,約80名が参加しました。発表会では,受講生一人ひとりが,研修で学んだことや今後に生かしていきたいこと等について英語で発表し,講師の先生方からコメントを頂きました。
主催者挨拶(下﨑 正浩 広島県地域政策局国際部長)(抜粋)
塾生の皆さん,無事,修了されますこと,本当におめでとうございます。また,このプログラムの実施にあたり,池田塾長をはじめ,多くの先生方から熱心なご指導を頂き,改めて感謝申し上げます。塾生の皆さんには,約半年間にわたり,核兵器廃絶や平和構築,英語の習得に大変熱心に取り組んでいただきました。8月には,32か国の高校生とのグループディスカッションや広島宣言の作成を行い,先月はフィリピンを訪問いただきました。現地の高校生と熱心に議論され,大いに盛り上がったと聞いています。昨年11月,ローマ教皇が広島を歴訪され,「思い出し,ともに歩み,守ること。この3つには平和となる真の道を切り開く力がある。現在と将来の世代が,ここで起きた出来事を決して忘れてはならない」と訴えられました。皆さんにも未来塾で学んだことを胸に,世界中どこにいても広島のことを忘れず,ともに行動いただくこと,国際平和について問題意識を持ち続け,世界の様々な舞台で活躍されることを願っております。
受講生成果報告
【成果報告の要旨・抜粋(国際平和のための提言,どのような貢献ができるか)】
※ 記載内容は,英語での発表を仮訳し要約したものです。
●私たちはこの半年間,平和な世界の構築に欠かせないものについて考える貴重な機会をいただきました。平和の達成には,過去から学ぶこと,衝突の原因を学ぶことが必要です。年齢や性別,人種が異なっていたとしても,また,かつて互いに強烈な憎悪を抱いていたとしても,私たちはその違いを乗り越えることができると実感しています。
●今,私たちができることとして,4つのステップを提案します。まず1つ目に社会問題に対して常に注意を向けておくこと,2つ目に私たちに何ができるのか考えること,3つ目に互いに話し合うこと,最後に考えたことを提案すること,の4つです。若いからと言って何もしないのではなく,この4つのステップを絶え間なく続けていくことが大切だと考えます。
●私は「CSV(共通価値の創造)」という,社会的課題に重きを置いたビジネスの形をヒントに若者の役割について考えました。資本主義の恩恵を受けながら柔軟な若さも伴う私たちは,社会的企業に重なるところがあると思います。様々な角度から社会問題について学び,深い対話を通して新しいアイデアや機会を創り出す力があるのです。
●紛争地での緊急支援について講義くださった講師が,支援者である自分はどこかで死のリスクを他人事と思っていたという話をされました。私たちは常に周りの環境に慣れ,命を守ることの重要性や大変さに不用心になってしまいます。知識や視野を広げると同時に,限りある人生の中で自身が人生を何に捧げたいか考える必要があると考えます。
【講師コメント】英語総括(三浦 省五 広島大学名誉教授)(要旨)
本日のスピーチでは,「原爆」「広島の役割」「貧困」など,たくさんのテーマをいただき,私自身これから勉強していかなければならないと思いました。英語は,「アクティブユース」「アクティブラーニング」なしには決して上達しません。「グローバリゼーション」という言葉がありますが,それと「国際化」は同じではなく,両者をどう上手く組み合わせていくかが重要です。英語だけでなく日本語も大切にしてください。そして,これから大学などでいろいろな知識を得て,それを平和のため,人類が生き残るために活用されるよう頑張ってください。
講義内容 |
講師 |
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第7回 1/19(日) |
・海外研修の振り返り ・研修で学んだことの振り返り |
池田秀雄塾長 |
第8回 2/2(日) |
・成果報告会に向けたリハーサル ・成果報告会 ・修了証書授与式 |
池田塾長,三浦名誉教授,Goldsbury名誉教授,永井講師,Walter講師,Hougham講師 |
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