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国際平和拠点ひろしま

Leaning from Hiroshima’s Reconstruction Experience: Reborn from the Ashes vol1IV おわりに

これまでにも,広島の戦後の歩みや原爆被爆からの復興をテーマとして取り上げ,まとめた文献は数多く存在する5)。その大半が広島県や広島市などの自治体が編集委員会を組織し,地元行政関係者や研究者,実務家,ジャーナリストらにより執筆されたものだ。だが「復興」そのものに焦点をあてた文献は,広島市が編集した『広島被爆40年史都市の復興』(1985年)や『戦災復興事業誌』(1995年)など限られている。それ以外の文献には,原爆による被害の分析や戦後の生活の再建などの記述はあるが,それらを「復興」の一部と捉えて記述したものは多くない。

本書はこれら先行文献に比べ,調査期間や収集資料の数も限られてはいるが,広島の復興に焦点を絞って描くことを試みた点に独自性がある。今後,本書の要約版や英語版を作成し,広島で復興を学ぶ人材育成のための教材として活用することも検討されている。広島が今後,被爆都市から世界の平和構築に貢献する都市へと発展するために,本書がささやかな一石を投じることができれば,幸いである。

(水本和実)


注・参考文献

5)主要なものだけでも,広島原爆障害対策協議会『広島原爆医療史』(1961年),広島市『広島市役所原爆誌』(1966年),広島市『広島原爆戦災誌』(全5巻,1971~2年),広島県『広島県史原爆資料編』(1972年),広島県『原爆三十年』(1976年),広島県『広島県庁原爆被災誌』(1976年),広島市『広島新史』(全13巻,1981~6年),広島市『広島被爆40年史都市の復興』(1985年),広島県『広島県戦災史』(1988年),広島市『戦災復興事業誌』(1995年),広島市『都市広島1945-1995&TheFuture』(1996年),広島市『被爆50周年図説戦後広島市史街と暮らしの50年』(1996年),広島市『広島市原爆被爆者援護行政史』(1996年),広島市『原爆ドーム世界遺産登録記録誌』(1997年)など多数存在する。

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