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国際平和拠点ひろしま

Hiroshima Report 2023第2章 核不拡散1  (1) 核不拡散義務の遵守

第2章 核不拡散1
(1) 核不拡散義務の遵守

A) 核兵器不拡散条約(NPT)への加入

2022年末時点で、核兵器不拡散条約(NPT)には191カ国(北朝鮮、並びに国連加盟国ではないバチカン市国及びパレスチナを含む)が加入している。国連加盟国(193カ国)のうち、非締約国は、2011年7月に独立して国連に加盟した南スーダン(核兵器は保有していない)、1998年に核実験を実施し、核兵器の保有を公表したインド及びパキスタン、並びに核兵器を保有していると広く考えられているイスラエルの4カ国である。また、北朝鮮は、2003年にNPTからの脱退を宣言し、国連安全保障理事会決議などで求められている「NPTへの早期の復帰」に応じていない。2022年8月には、北朝鮮の国連代表部が、「北朝鮮は、NPTに規定された関連条項に基づく正当な手続きを経て、ずいぶん前にNPTを脱退している。したがって、NPT外の核保有国である北朝鮮の自衛権行使を非難する権利や正当性は誰にもない」2とする声明を発表した。なお、NPT締約国全体としては北朝鮮の条約上の地位に関する解釈を明確にしていない。

 

B) NPT第1条及び第2条、並びに関連安保理決議の遵守

北朝鮮

NPT成立以降、締約国のなかで第1条または第2条の義務に違反したとして、国連を含め国際機関から公式に認定された国はない3。しかしながら、NPT脱退を宣言した北朝鮮に関しては、脱退が法的に無効であるとすれば、あるいは脱退の効力発生前に核兵器を保有していたとすれば、その核兵器の取得行為は第2条に違反する行為となる。米国務省の年次報告書「軍備管理・不拡散・軍縮協定の遵守」でも、北朝鮮が、「2003年にNPTからの脱退を通告した時に、NPT第2条及び第3条、並びに国際原子力機関(IAEA)保障措置協定に違反していた」4との判断が明記されてきた。

北朝鮮に対する国連安保理決議1718号(2006年10月)では、国連憲章第7章のもとでの決定として、「北朝鮮が、すべての核兵器及び既存の核計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で放棄すること、NPTのもとで締約国に課される義務及びIAEA保障措置協定(IAEA INFCIRC/403)に定める条件に厳格に従って行動すること、並びに、これらの要求に加え、透明性についての措置(IAEAが要求し、かつ、必要と認める個人、書類、設備及び施設へのアクセスを含む。)をIAEAに提供すること」5と規定された。弾道ミサイルについても、その「計画に関連するすべての活動を停止し、かつ、この文脈において、ミサイル発射モラトリアムにかかる既存の約束を再度確認することを決定」6した。

しかしながら、北朝鮮は、安保理決議の決定を無視して核兵器及び弾道ミサイルにかかる活動を積極的に継続している。さらに、金正恩(Kim Jong Un)総書記は2022年9月8日の演説で、核戦力政策の法制化により「核保有国としての我が国の地位は不可逆的になった」とし、「核兵器を巡る駆け引きができなくなるように、核兵器に関する後退禁止線を引いた。ここに、核戦力政策の法制化の大きな意義がある」とも述べ、米国などとの交渉を通じた北朝鮮の非核化を拒否する姿勢を強く示唆した7。

10月の国連総会第一委員会でも、北朝鮮は自国の非核化には言及せず、米国を厳しく非難するとともに、「朝鮮半島の安定のために、米国は、軍備増強と韓国との合同軍事演習の中止、米国の核アセットの動員、韓国にある『国連軍』の解散など、北朝鮮に対する軍事的脅威を無条件で根絶しなければならない」8と発言した。

日米韓は、北朝鮮の核・ミサイル活動を厳しく非難するとともに、朝鮮半島の非核化に向けて「前提条件なしに北朝鮮に会うことに引き続きオープンである」9との方針を繰り返した。2022年5月に就任した韓国の尹錫悦(Yoon Suk-yeol)大統領は同年8月、北朝鮮が核兵器開発を中断した場合に政治、経済、軍事、食糧、農業、医療、インフラ支援などを提供するという「大胆な構想(audacious initiative)」を提案した10。また、金泰鎬(Kim Tae-hyo)国家安全保障室第一次長は、北朝鮮が核軍縮の「ロードマップ」に取り組み、凍結・宣言・検証及び解体を遵守するならば、韓国は核兵器計画を放棄する用意があるすべての段階において経済的報酬を用意すると述べた11。

他方、中国やロシアは、北朝鮮の核・ミサイル活動を黙認するかのような対応を鮮明にした。北朝鮮が実施した2022年1月の一連のミサイル実験に対して、米国が国連安保理で制裁の強化を提案すると、中露は検討に時間を要しているとして態度を保留した。北朝鮮による3月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験に対しては、中露が反対して安保理声明を発出できなかった12。

さらに、米国が5月に制裁の強化を定める安保理決議の採択を提案したものの、中露は対話の必要性を訴えて制裁強化に反対し、逆に制裁緩和を求め、拒否権を行使した。北朝鮮の核・弾道ミサイル開発を巡る制裁決議案が拒否権で否決されたのは、初めてのことであった。
北朝鮮制裁を強化する安保理決議案に常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使したことを受け、理由説明を求める総会会合が6月8日に開催された13。会合では、中国が、「朝鮮半島の問題の根本的な解決には、制裁発動や圧力行使といった古いアプローチの放棄が必要」であり、北朝鮮との対話を進めるべきだと主張した14。ロシアは、米国が提案する新たな制裁は北朝鮮の人道状況を悪化させると述べ、米国の提案は無責任だと批判した15。
北朝鮮による10月の中距離弾道ミサイル(IRBM)発射実験に際しても、米国が安保理としての報道声明の発表を目指したのに対して、中国の耿爽(Geng Shuang)国連次席大使は、安全保障理事会は北朝鮮に対して「強いレトリックや圧力」に頼ることなく、北朝鮮の「合理的な懸念」に対処すべきだと述べ、ロシアのエフスティグニエワ(Anna Evstigneeva)国連次席大使は、北朝鮮のミサイル発射は米国による「短絡的」かつ「対立的」な軍事活動の結果であり、北朝鮮に対する新たな制裁を導入しても「結果はゼロ」であると主張し16、声明は発出できなかった。北朝鮮による11月のICBM実験に対しても、米国などが提案する議長声明の採択に、中国及びロシアは反対した。

 

イラン:核活動

E3/EU+3(中、仏、独、露、英、米、欧州連合(EU)上級代表)とイランは2015年7月に、包括的共同行動計画(JCPOA)に合意した。しかしながら、トランプ(Donald Trump)前政権下で米国が2018年5月にJCPOAから離脱し、JCPOAに関連して解除されたイランに対する制裁措置を再発動した。これに対して、イランは2019年5月以降、ウランの濃縮度、濃縮ウランの保有量、遠心分離機の数などに関して、JCPOAで定められた義務の履行停止を段階的に実施し、前年に続いて2022年も核活動を拡大していった(IAEA保障措置を含む監視・検証措置の履行停止については本章(2)を参照)17。

 

遠心分離機

JCPOAでは、イランはIR-1遠心分離機5,060機を使用し、ナタンズのウラン濃縮施設(FEP)のみでウラン濃縮するよう制限されていた。2019年9月以降、イランはこれらの制限に違反している。ウラン濃縮に使用される遠心分離機に関しては、イランが2022年6月、ナタンズ(Natanz)の濃縮施設にIR-1の10倍の濃縮能力を持つとされるIR-6の設置を開始した。また、同月にIAEA理事会がイランの未申告の施設からウラン粒子が検知された問題に懸念を示す決議を採択したことに対して、イランはフォルド(Fordo)ウラン濃縮施設(FFEP)の地下施設でIR-6の使用を開始した。8月には、ナタンズでIR-6の運転を開始し、1,570機あまりの新型先端遠心分離機を設置するとした18。また、IAEAは10月10日の報告書で、イランがIR-2mをさらに3カスケード設置する計画をIAEAに通告したこと、9月7日付のIAEA報告書以降、イランがIR-2mの6カスケード及びIR-4の1カスケードの設置を完了したことが記載された19。

11月のIAEA報告書では、遠心分離機の設置状況を以下のように報告した20。

➢ FEP: JCPOAで規定されたIR-1の30カスケードに加えて、さらに30カスケード(IR-1、IR-2m、IR-4、IR-6)を設置する意向をIAEAに通告
➢ パイロットウラン濃縮施設(PFEP): 60%までの濃縮度のUF6を生産するために、最大164機のIR-4と最大164機のIR-6から構成される2つの連結されたカスケード、5%までの濃縮度のUF6を生産するためにIR-5及びIR-6sのカスケード、2%までの濃縮度のUF6を生産するために、IR-2m、IR-4、IR-5、IR-6。また、IR-6s、IR-7、IR-8、IR-8B、IR-9などの遠心分離機をテスト
➢ FFEP: IR-1(6カスケードを3組の連結カスケードに再編成、最大1,044機)、IR-6(166機の1カスケード)を設置

前回のIAEA報告(2022年9月)以降、イランはFEPの新型遠心分離機の設置機数を急増させ、IR-2m及びIR-4を中心に、1,740機あまりを追加し、設置容量は8月に比べて50%以上大きくなった。

 

遠心分離機関連工場

2022年1月、イランは、数回の妨害行為を受けたと主張するカラジ(Karaj)の遠心分離機部品製造工場での製造を停止し、イスファハン(Esfahan)で製造する意向を通告した21。しかしながら、IAEAは3カ月後、イランが4月6日にカラジの遠心分離機部品製造工場から遠心分離機のローターチューブ及びベローズを製造する機械をすべて移動し、ナタンズ敷地内の場所に配置したこと、同月13日に稼働を開始したことなどをIAEAに通告したと報告した22。

 

濃縮ウラン

イランの濃縮ウラン保有量について、IAEAは、2022年10月22日時点のイランの濃縮ウラン総備蓄量を3,673.7kg、このうちUF6の形態でイランが保有する濃縮ウランの総量を3,323.1kg(2%までが1,844.5kg、5%までが1,029.9kg、20%までが386.4kg、60%までが62.3kg)と推計した23。イランは着実に20%まで及び60%までの濃縮ウランを増加させてきた。濃縮度20%以上は高濃縮ウラン(HEU)とされ、理論的には核兵器に使用可能なレベルである。実際には、60%濃縮のHEUは兵器として使用可能であり、90%以上は兵器級と考えられている。この報告書では、イランは金属ウランを1年近くにわたって生産していないことも報告された。

11月22日には、イランはフォルドのFFEPでIR-6を用いて60%までの濃縮ウランの生産を開始した。イランはまた、フォルドで5%または20%までの濃縮ウランを大幅に増産し、ナタンズでは新たな濃縮施設を建設するといった計画をIAEAに伝えた24。

イランは、その核活動が平和的目的であると繰り返し主張してきた。60%濃縮ウランについて、イランは3月に、その一部を医療用アイソトープ(モリブデンターゲット)生産のために使用した25。イランはそのために必要な量以上の60%濃縮ウランを生産していると判断されている。

 

その他の活動

11月のIAEA事務局長報告によれば、アラク(Arak)の重水炉(IR-40)の建設、あるいはIAEAに申告された施設での再処理に関連する活動は行われていない。他方で、イランは、重水の貯蔵量や重水製造プラント(HWPP)における生産量を申告しておらず、それらのIAEAによるモニターも許可していない26。

 

ブレイクアウト時間

JCPOAのウラン濃縮に関する制限は、イランのブレイクアウト時間(核兵器1個分の兵器級核分裂性物質を生産するのに必要な時間)を12カ月以上確保するように策定されている。イランがHEUを含め濃縮ウランの保有量を増加させたことにより、ブレイクアウト時間は1週間未満にまで短縮された27。米国の専門家からは、2022年11月のIAEA報告に基づく濃縮ウラン保有量から、以下のような推計も示された(公式には確認されていない)。

(引用者注:濃縮度60%のウランで核兵器を製造できるとすれば)イランのブレイクアウト・タイムラインはゼロのままである。イランは、核爆発を直接起こすことができると確信できる十分な量の60%濃縮ウランを保有している。もしイランが60%HEUを兵器級までさらに濃縮しようと思えば、わずか数機の最新型遠心分離機カスケードを利用して、数週間以内に行うことができるであろう。…セットアップ時間を2週間と仮定すると、イランは1カ月で、これら2つの濃縮ウラン供給ストックから核兵器4発分の兵器級ウランを蓄積できると推定される。その数週間後、つまりブレイクアウト開始から約1.7カ月後には、イランは5%未満と2%以上(4.5%とする)の濃縮ウラン原料から、さらに5個目の兵器級ウランを十分に蓄積することが可能である。イランは、3カ月目の終わりまでに、6個目の核兵器に十分な量の兵器級ウランを製造することができる28。

 

イラン:JCPOA再建に向けた動向

JCPOA再建を目指す間接交渉は、時折進展が伝えられながらも、そのたびに新たな難題が浮上し、合意には至らなかった。

2022年1月末には、イランのアミラブドラヒアン(Hossein Amir-Abdollahian)外相が、「強力な保証を伴うよいディールに到達するために、米国との直接協議が必要となる段階になれば、それを検討するつもりだ」29と述べ、米国務省高官も、間接交渉が最終段階に入っており、双方が難しい政治決断を下すべきときにあるとの見方を示した30。さらに、米国は2月4日、国際原子力協力プロジェクトにかかる対イラン制裁免除の回復を発表した。この免除措置は、イランの核施設が兵器開発に利用されるのを困難にするための不拡散業務をロシア、中国及び欧州の企業が実施できるようにすることを目的としたものであった31。

2月8日にウィーンで再開された間接交渉では、同月中旬になると、米・イランの双方が草案の最終的な詰めを進めており、まず段階的にイランが義務履行に復帰し、その後、米国が制裁を解除する手順を定めているとも報じられた。この報道によれば、合意文書の草案では、第一段階として、イランが5%を超えるウラン濃縮活動を停止すること、米国の制裁下で韓国の銀行が抱える70億ドルのイラン凍結資産を解除すること、並びにイランが拘束している欧米人を釈放することなどが盛り込まれ、一連の措置が講じられたことが確認されたのちに米国がイラン関連制裁解除(イランの石油部門への経済制裁に関する適用除外措置の復活など)の手続きを開始するとされた。また、イランはウラン濃縮度の上限3.67%を含め、JCPOAで規定された主要な核開発制限の義務履行に復帰する見通しだとされた32。他方、イランが求める「米国が二度と合意から離脱しないことの保証」をどのように取り扱うかは不透明であった。

2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵略以降、交渉は再び難航した。同月28日には、イラン外務省報道官が、未解決の問題として、米国が制裁をどの程度まで撤回するか、米国が再び協定を破棄しないことを保証するか、並びにIAEAがイランの未申告施設で見つかったウランの痕跡に関する問題を解決するかを挙げつつ、残るイランの要求を満たす政治的決断を米国が下せば、核合意の復活に向けた取組が成功する可能性があると述べ、さらにイスラム革命防衛隊(IRGC)に対する米国の外国テロ組織(FTO)指定の解除も引き続き求めた33。

3月4日には、ボレル(Josep Borrell)EU外交安全保障上級代表が、米国とイランが近日中に合意に達するとの見方を示したものの34、その翌日にロシアのラブロフ(Sergey Lavrov)外相が、ウクライナ侵略に対する西側諸国の対露経済制裁を踏まえ、「我々は、米国が引き起こした現在のプロセスが、自由で完全な貿易、経済・投資協力、軍事・技術協力に関する我々の権利をいかなる形でも損なわないという書面による保証を求めている」35と主張した。これに対して、米国務省報道官は、ウクライナ侵略に対する「ロシア関連の新たな制裁はJCPOAとは無関係であり、その潜在的な実施にいかなる影響も与えないはずだ」36と反論した。

3月8日の欧州3カ国による共同声明では、(核合意再建の)「機会が閉ざされつつある。われわれはすべての関係者が決着に必要な決断を下し、ロシアが余計な条件を付けないことを求める」とした。さらに、イランに対して、HEU転換に関係するすべての活動を直ちに停止すること、HEU生産とJCPOAの制限を超えるウラン濃縮を停止すること、JCPOAの制限を超える濃縮ウランの備蓄を処分する準備を行うこと、濃縮能力及び研究開発を合意した制限に戻すこと、ウラン金属の生産にかかるすべての活動を停止すること、並びにIAEAとの透明性及び協力の完全回復を含むJCPOA再実施に向けた措置をとる準備をすることを求めた37。また3月15日にはロシア外相が、「書面による保証を受けた。それはJCPOA復活に関する合意のまさにその文面に含まれている」と述べ、合意が大きく近づいたと期待された38。

しかしながら、その直後、イランが米国に対してIRGCのテロ指定解除を求めたことで、合意に向けた取組が再び暗礁に乗り上げた39。米国は、テロ指定解除の検討にはイランが中東の緊張を緩和させると公約することが条件だと主張した40。そして、間接交渉の中断が3月上旬から続くなか、バイデン(Joseph Biden)大統領が5月下旬にIRGCのテロ指定を維持することを最終的に決定したと報じられた41。マレー(Robert Malley)イラン担当特使は5月25日の米上院外交委員会公聴会で、イランと合意に至る見込みは低いとし、「イランがJCPOAの範囲を超える要求を続けるなら、我々はそれを拒否し続けるだろうし、取引も成立しない。それは我々の望むものではないが、もしイランがそれを選ぶのであれば、我々はその現実を受け入れ、それに立ち向かう用意がある」42と述べた。

EUは8月8日に「最終草案」を提示し、その後、米国は受け入れる用意があるとした。イランはFTOの解除を主張しないことを示唆し、合意は目前と楽観的な見方を示した。しかしながら、イランは他に3つの要求を提示した。1つは、将来の米政権がJCPOAから再び離脱しないとの保証であった。西側の担当者は、最終草案において、仮に新たな合意が破棄されたとしても、外国企業は2年半は制裁を受ける恐れなくイランでの事業を継続できると規定することで、これに対処したと主張した。加えて、イランは、遠心分離機や電子機器の一部を破壊する代わりに、IAEAの許可のもと国内に保管できるなど、ウラン濃縮能力をかなり早く増強できる「固有の保証」ともいうべきものを受け取ることになるとした43。

イランの他の2つの要求は、未申告の核物質に関するIAEAの調査に関するものであった。イランのアミラブドラヒアン外相は、IAEAが「政治的動機による要求」を終了し、イランの過去の核活動に関する新たな調査を再開しないよう要求した44。これに対して、フランス、ドイツ及び英国は9月10日の共同声明で、イランの「要求は、JCPOAを成功させるというイランの意図とコミットメントに重大な疑念を抱かせるものである」と批判し、また「イランは、自国の領土にあるすべての核物質の所在に関するIAEAの質問に対して、技術的に信頼できる回答を提供することが求められている。国際的な核不拡散体制に不可欠な法的拘束力のある義務からイランを解放するためにJCPOAが利用されることは決してない」と主張した45。ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官も、イラン核合意再建に向けた間接協議へのイランの対応は「明らかに後退している」と述べ、イランが協議とは直接関係しない要求を続けていると不満を示したうえで、「合意に必要なことをする意欲も能力もないように見える」と失望感を露わにした46。

核協議が停滞するなか、欧米のイランへの関心は他の問題に集中した。最も切実なのは、22歳の女性が9月16日、ヒジャブのかぶり方を巡って「道徳警察」に拘束され、死亡した事件に続く、イランの抗議行動に対する苛烈な弾圧であった。人権監視団体は、2022年末までに161都市で発生したヒジャブ抗議に関連する死者を512人と数え、うち69人が子ども、67人が治安維持要員だった47。第二の問題は、イランがロシアに無人機を提供し、これがウクライナのエネルギーインフラや他の民間施設を攻撃するのに使用されたことである。ロシアの侵攻前に無人機が提供されたというイランの主張は、ウクライナが墜落した無人機から収集した証拠に裏付けられていない。イランが二重国籍の外国人20数名を冤罪で拘束したことも、西側諸国の政府にとって懸念材料となり、イランに対する制裁を解除するどころか、さらに適用する傾向が強まった。10月18日、米国のマレー・イラン担当特使は、JCPOA再建のための交渉は「議題にもならない」48と述べ、デモ参加者への支持を表明した。

それでも、EUの交渉担当者は、核問題の行き詰まりに対する外交的解決策の模索をあきらめなかった。ボレル外交・安全保障上級代表は12月23日、「イランの核不拡散に関して、この協定に代わるものはない。そうでないと考える人は、たんに自分を騙しているだけだ」とした49。イランのアミラブドラヒアン外相は12月下旬、イランは協議を「取りまとめる用意がある」と述べ、12月20日にバグダッドでボレルと会談したが、進展はなかった50。

さらに、真偽は定かではないが、11月には米情報機関の分析として、イランが核合意再建交渉の決裂に備えて、ロシアに核物質の提供や核燃料の製造に関する支援を求めているとも報じられた51。

 

脱退問題

NPT第10条1項は条約からの脱退について規定しているが、そのプロセスには明確性に欠けるところがある。北朝鮮によるNPT脱退宣言以降、NPT締約国が条約に違反して核兵器(能力)を取得した後にNPTから脱退するのを防止すべく、日本、韓国及び他の西側諸国は、条約脱退要件の厳格化を提案してきた。NPT運用検討会議でも、軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)は、まず「条約からの脱退を決定した締約国は、第X条の手続きに完全かつ厳格に従わなければならないことを再確認する。条約は脱退の権利を行使するための要件を定めており、これらの要件を満たさない脱退の通告は有効ではないことを意味する」とした。そのうえで、NPDIは、以下のような要件を提案した52。

➢ ウィーン条約法条約第70条に基づき、脱退前の条約の違反について、国際法のもとで引き続き責任を負うことに留意。

➢ 条約脱退前に取得した核物質、設備及び科学技術情報に適用される義務であって、条約からの脱退後も保障措置のもとに残るべきものを含め、脱退国と他の締約国との間の既存のいかなる法的義務または政治的約束も変更しないことを強調。
➢ 締約国に対して、核輸出の条件として、受領国がIAEA保障措置協定を終了、脱退、またはIAEA理事会により不遵守とされた場合、供給国がそれ以前に提供した核物質・装置、並びに当該物質・装置の使用により生じた特殊核物質の返還要求権を有することに合意するよう奨励。
➢ 寄託国及び締約国は、脱退国に脱退の決定を再考するよう説得するために、協議を行い、あらゆる外交的努力を行うべきことを勧告。
➢ 安保理が、条約からの脱退が国連憲章に基づく国際平和と安全に対する脅威となるか否かを判断する第一の責任を負うことを強調し、安保理決議1887に規定されているように、条約脱退に関するすべての事例に遅滞なく対応することを約束。

ウィーン10カ国グループも、NPDIと類似の提案を行った53。

他方、中国やロシアは脱退要件の厳格化には必ずしも積極的ではなく、非同盟運動(NAM)諸国やブラジルなども、脱退は締約国の権利だとして、脱退要件の厳格化に批判的な主張を行ってきた。

最終文書案では、上記の双方の主張を取りまとめる形で、以下のように言及された。

会議は、締約国の条約からの脱退の権利を再確認し、これらの権利が制限され、または損なわれるべきではないことに留意する。本会議は、さらに、締約国が脱退前に行った条約違反について責任を負うという条約からの国家の脱退に関連する国際法の関連性に留意する。本会議は、脱退が、脱退前に国が取得した核物質、設備及び科学技術情報に適用される義務を含む、脱退国と他の締約国との間の既存のいかなる法的義務または政治的約束も変更しないことを強調し、これらは保障措置のもとに留まるべきであることを確認する。

 

核兵器取得への関心

2010年代半ば以降、サウジアラビアから核兵器取得への関心を示唆した発言が繰り返された。2022年には顕著な発言は見られなかったが、サウジアラビアの核活動に関して完全な透明性に欠けているとの懸念は依然として残っている。2021年末には、米情報機関の分析として、サウジアラビアが中国の支援・協力を得て弾道ミサイルを開発・製造しているとも報じられた54。

イランについて、たとえば米国は、「イランが現在、核兵器を製造するために必要であると判断する主要な核兵器開発活動を行っていないとの評価を続けている」55とした。しかしながら、イランの能力は明らかであり、たとえばイランの最高指導者ハメネイ(Ayatollah Ali Khamenei)師の外交諮問機関トップのハラジ(Kamal Kharrazi)元外相はインタビューで、イランは「数日で60%までウランを濃縮することができた。90%の濃縮ウランも簡単に製造できる。…イランは核爆弾を製造する技術的手段を持っているが、イランが核爆弾を製造することを決定したことはない」56と発言した。

 

ウクライナ問題

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は、ウクライナへの「特別軍事作戦」決行を表明した2022年2月24日の演説で、ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)政権が「核兵器保有を求めている」と述べ、作戦を正当化する理由の1つとして、ウクライナの核武装を阻止することを挙げた57。ラブロフ外相も3月1日のジュネーブ軍縮会議(CD)での演説で、「ウクライナは依然としてソ連の核技術と、核兵器の運搬手段を保有しており、この真の脅威への対応を失敗することができない」58とも述べた。これに対して、IAEAのグロッシ(Rafael Grossi)事務局長は翌日、ウクライナの原子力活動はIAEA包括的保障措置及び追加議定書のもとにあると明言した59。しかしながら、ロシアは、ウクライナが核兵器だけでなく、生物・化学兵器や放射性物質を用いる「汚い爆弾(dirty bomb)」を開発あるいは保有しているとの偽情報を繰り返し喧伝した60。

IAEAは3月3日、ウクライナの原子力活動における安全、セキュリティ及び保障措置に関する決議を採択し、「ロシアの侵略が、NPT、IAEAとウクライナの間の保障措置協定などに従い、国際的に認められた国境内でのウクライナの原子力施設におけるIAEAの保障措置活動の完全かつ安全な実施を妨げていることをさらに深刻に懸念する」と表明した61。IAEA理事国35カ国のうち、日本や欧米諸国を含む26カ国が決議案に賛成し、中露が反対した(インド、パキスタン、南アフリカなど5カ国が棄権)。ロシアのウリヤーノフ(Mikhail Ulyanov)在ウィーン国際機関代表部常駐代表は、このIAEAの決議は政治化(politicized)されたもので、それに動機付けられた意図的な嘘と誤りが含まれていること、決議はIAEAへの信頼を損なうことになると述べ、決議を批判した62。

ロシアは10月になると再び、プーチン大統領を含む政府高官が、ウクライナが「汚い爆弾」を製造し、使用する可能性があると繰り返し喧伝した63。ウクライナはこれをロシアの虚偽情報だとして否定するとともに、IAEAに対して、ロシアが開発拠点と名指しした2つの施設への査察官の派遣を要請した。IAEAは11月3日、ウクライナの核施設3カ所を調査し、「これまでに行われた技術的・科学的評価では、これら3施設での未申告の核活動・物質の兆候は示されていない」ことを明らかにした64。

 

C) 非核兵器地帯

非核兵器地帯条約は、これまでにラテンアメリカ(ラテンアメリカ及びカリブ地域核兵器禁止条約〔トラテロルコ条約〕:1967年署名、1968年発効)、南太平洋(南太平洋非核地帯条約〔ラロトンガ条約〕:1985年署名、1986年発効)、東南アジア(東南アジア非核兵器地帯条約〔バンコク条約〕:1995年署名、1997年発効)、アフリカ(アフリカ非核兵器地帯条約〔ペリンダバ条約〕:1996年署名、2009年発効)、中央アジア(中央アジア非核兵器地帯条約:2006年署名、2009年発効)で締結された。またモンゴルは、1992年に国連総会で自国の領域を一国非核兵器地帯とする旨を宣言し、1998年の国連総会ではモンゴルの「非核の地位」に関する宣言を歓迎する決議65が採択された。

NPT運用検討会議で、豪州、英国及び米国の安全保障枠組みであるAUKUSのもとでの豪州による原子力潜水艦取得計画を繰り返し厳しく批判した中国は、非核兵器地帯の文脈でも、東南アジア非核兵器地帯構築の努力を危うくし、南太平洋非核地帯を弱体化させると発言した。これに対して豪州は、NPTにもラロトンガ条約にも原子力を推進エネルギーとする海軍艦船(海軍の原子力利用)を禁止する規定はないと反論した66。

中東に関して、2022年のNPT運用検討会議では、過去の会議とは異なり中東問題が会議の成否を左右するような争点とはならなかったが、中東のNPT締約国などがイスラエル及び米国に対して、「核兵器及びその他の大量破壊兵器(WMD)のない中東地域の設置に関する会議」(以下、中東会議)に参加するよう求めた。

2022年11月14~18日には第3回中東会議が開催され、地域の21カ国、オブザーバー4カ国(中国、フランス、ロシア及び英国)が参加した。前回同様、イスラエル及び米国は参加しなかった。テーマ別討論では、中核的義務、第2会期報告書のパラグラフ51で特定された問題、並びに用語集及びその他の関連する問題が議論された67。

イスラエルは国連総会第一委員会で、以下のように述べて中東会議を批判した。

(中東会議のような)不適切な動機のイニシアティブは、非核兵器地帯のガイドラインや確立された原則に反しており、適切ではない。イスラエルは、確立された慣行を迂回する人為的なプロセスに参加することはない。他の地域の経験から、地域の安全保障の枠組みは、1999年の「非核兵器地帯のガイドラインと原則に関する軍縮委員会報告書」に規定されているように、すべての関係国が安全保障上の懸念を考慮し、関係国が自由に取り決めたものを反映し、地域のすべての当事者が相互に関与しようとする政治的願望の結果でしかあり得ないことが実証されている68。(括弧内引用者)

国連総会では、「中東地域における非核兵器地帯の設置」決議が1980年以来、投票無しで採択されていたが、2018年以降は投票による採決がなされている。2022年の投票結果は賛成175、反対1(イスラエル)、棄権2(シンガポール、米国〔2020年の決議には反対していた〕)であった69。

北東アジア及び南アジアにおける非核兵器地帯の設置については、研究者などから提案される一方で政府間では具体的な動きは見られない。なお、北東アジアに関しては、モンゴルがNPT運用検討会議に提出した報告で、「北東アジア非核兵器地帯設置の構想を促進する積極的な役割を果たすであろう」70と記載するなど、関心を時折表明している。


1 第2章「核不拡散」は、戸﨑洋史により執筆された。
2 “Press Statement of DPRK Permanent Mission to UN,” KCNA, August 4, 2022, http://www.kcna.co.jp/ item/2022/202208/news04/20220804-10ee.html.
3 IAEAによるNPT第3条(非核兵器国による包括的保障措置の受諾)の遵守にかかるものを除き、どの国際機関もNPTの各条項の遵守を評価する明示的な権限は与えられていない。
4 The U.S. Department of State, “Adherence to and Compliance with Arms Control, Nonproliferation, and Disarmament Agreements and Commitments,” April 2022, pp. 15-16.
5 S/RES/1718, October 14, 2006. 2009年4月の北朝鮮による核実験に対して採択された安保理決議1874号(2009年6月)でも、「北朝鮮に対し、関連する安全保障理事会決議(特に決議第1718 号(2006年10月))の義務を直ちにかつ完全に遵守すること」などが要求された。なお、決議第1718号は国連憲章第7章のもとでの義務的決定としてはいるが、同時に非軍事的措置を規定した「憲章第41条に基づく措置」をとるとしているので、この決議を根拠として軍事的措置を取ることはできない。
6 Ibid.
7 “Respected Comrade Kim Jong Un Makes Policy Speech at Seventh Session of the 14th SPA of DPRK,” KCNA, September 10, 2022, http://www.kcna.co.jp/item/2022/202209/news10/20220910-23ee.html.
8 “Statement by North Korea,” General Debate, First Committee, UNGA, October 11, 2022.
9 「北朝鮮に関する日米韓外相共同声明」2022年5月28日、https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/ press1_000893.html。
10 Mitch Shin, “South Korea’s President Offers ‘Audacious Initiative’ for North Korea’s Denuclearization,” Diplomat, August 15, 2022, https://thediplomat.com/2022/08/south-koreas-president-offers-audacious-initiative-for-north-koreas-denuclearization/.
11 “Seoul Offers North Korea Economic Aid for Nuclear Disarmament,” Nation World News, August 15, 2022, https:// nationworldnews.com/seoul-offers-north-korea-economic-aid-for-nuclear-disarmament/.
12 これに対して、米英仏など安保理理事国7カ国と豪州、日本、韓国及びニュージーランドの計11カ国は共同声明を発表し、安保理が一致した対応を取れていないことで「安保理自身の信頼性を浸食し、グローバルな不拡散体制を損なっている」として、中露に方針転換を迫った。“Joint Statement on the March 5 Democratic People’sRepublic of Korea’s Ballistic Missile Launch,” March 7, 2022, https://usun.usmission.gov/joint-statement-on-the-march-5-democratic-peoples-republic-of-koreas-ballistic-missile-launch/.

13 ウクライナをめぐる安保理決議案がロシアの拒否権によって否決され、安保理の機能不全が指摘されるなか、安保理常任理事国が拒否権を行使した場合にはその理由を国連総会で説明するよう求める決議が、2022年4月26日に国連総会で採択された。
14 “Remarks by Ambassador Zhang Jun at the UN General Assembly Debate on the Korean Peninsula Nuclear Issue,” June 8, 2022, https://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/wjb_663304/zwjg_665342/zwbd_665378/202206/t20220609_ 10700480.html. これに先立つ6月2日には、趙立堅(Zhao Lijian)外交部副報道局長が、北朝鮮による核実験に対しても中国は新たな制裁を支持しないことを示唆した。Chaewon Chung, “China signals it won’t support new sanctions if North Korea tests nuclear weapon,” NK News, June 2, 2022, https://www.nknews.org/2022/06/china-signals-it-wont-support-sanctions-if-north-korea-tests-nuclear-weapon/.
15 “General Assembly Holds Landmark Debate on Security Council’s Veto of Draft Text Aimed at Tightening Sanctions against Democratic People’s Republic of Korea,” UN Meeting Coverage, June 8, 2022, https://press. un.org/en/2022/ga12423.doc.htm.
16 Jo He-rim, “UNSC Fails to Reach Consensus on NK Provocations with China, Russia Backing NK,” Korea Herald, October 6, 2022, https://www.koreaherald.com/view.php?ud=20221006000720.

17 イランは義務の履行停止について、JCPOA第26条及び36条に沿った行動だと主張して正当化している。ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相(当時)は、「イランは2019年5月以降、核能力を大幅に向上させているが、それは核合意の第36条に完全に依拠したものである。他の署名国が核合意のもとでのコミットメントの履行を停止した場合、イランはその履行を『停止』することができる。米国の新政権が軌道修正を望むのであれば、速やかに修正を行う必要がある」として、イランの行動を正当化した。Mohammad Javad Zarif, “Iran Wants the Nuclear Deal It Made: Don’t Ask Tehran to Meet New Demands,” Foreign Affairs, January 22, 2021, https:// www.foreignaffairs.com/articles/iran/2021-01-22/iran-wants-nuclear-deal-it-made.
18 David Albright, Sarah Burkhard and Spencer Faragasso, “Iran’s Latest Advanced Centrifuge Deployment,” International Science and international Security, August 4, 2022, https://isis-online.org/isis-reports/detail/irans-latest-advanced-centrifuge-deployment.
19 GOV/INF/2022/23, October 10, 2022.
20 GOV/2022/62, November 10, 2022.

21 Francois Murphy, “Iran Moves Centrifuge-parts Production out of Disputed Workshop, IAEA Says,” Reuters, February 1, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/iran-moves-centrifuge-parts-production-karaj-isfahan-iaea-says-2022-01-31/.
22 GOV/INF/2022/11, April 14, 2022.
23 GOV/2022/62, November 10, 2022. イランはオンライン濃縮モニターなどを停止しており、IAEAはリアルタイムの濃縮ウラン保有量を把握できないとして、推計値を示している。
24 Francois Murphy, “Iran Enriching to up to 60% at Fordow, Plans Massive Expansion, IAEA Says,” Reuters, November 23, 2022, https://jp.reuters.com/article/iran-nuclear-iaea-idAFKBN2SC1W2.
25Jonathan Tirone, “Iran Eliminates Some Weapons Potential in Uranium Stockpile,” Bloomberg, March 17, 2022, https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-17/iran-eliminates-some-weapons-potential-in-uranium-stockpile.
26 GOV/2022/62, November 10, 2022.

27 Kelsey Davenport, “Iran in 2022: Cusp of Nuclear Threshold,” The Iran Primer, US Institute of Peace, December 21, 2022, https://iranprimer.usip.org/blog/2022/dec/21/iran-2022-cusp-nuclear-threshold.
28 Albright, et.al., “Analysis of IAEA Iran Verification and Monitoring Report – November 2022.”
29 Parisa Hafezi and John Irish, “No Decision Yet on Direct Talks with U.S. — Iran Foreign Minister,” Reuters, January 25, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/iran-says-it-rules-out-us-prisoner-release-nuclear-talks-precondition-2022-01-24/.
30 「イランとの間接協議は最終段階に、政治決断すべきとき=米高官」『ロイター』2022年2月1日、https:// www.reuters.com/article/iran-nuclear-usa-idJPKBN2K628Y.
31 Humeyra Pamuk, “U.S. Restores Sanctions Waiver to Iran with Nuclear Talks in Final Phase,” Reuters, February 4, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/biden-administration-restores-sanctions-waiver-iran-talks-final-phase-2022-02-04/.

32 「イラン核合意、段階的再建の草案で詰めの協議」『ロイター』2022年2月18日、https://jp.reuters.com/ article/iran-nuclear-sequencing-idJPKBN2KM2G9。
33 Parisa Hafezi and John Irish, “Iran Says Key Issues Still Unresolved in Nuclear Talks,” Reuters, March 1, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/iran-says-three-key-issues-remain-unresolved-vienna-nuclear-talks-2022-02-28/.
34「イラン核合意再建協議、今週末に合意も=ボレルEU上級代表」『ロイター』2022年3月5日、https://jp. reuters.com/article/iran-nuclear-eu-idJPKBN2L12HP。
35 Stephanie Liechtenstein, “Russia Obstructs Iran Nuclear Deal as the Kremlin Frets over its Oil Income,” Politico, March 5, 2022, https://www.politico.eu/article/russia-obstructs-iran-nuclear-deal-as-the-kremlin-frets-over-oil-income/.
36 Ibid.

37 “Joint Comprehensive Plan of Action: E3 statement to the IAEA Board of Governors, March 2022,” March 8, 2022, https://www.gov.uk/government/news/e3-statement-to-the-iaea-board-of-governors-on-the-joint-comprehensive-plan-of-action-march-2022.
38 Laura Rozen, “Euro Diplomat: Hope We Will Be Able to Conclude Iran Deal, after Russia Says Received Assurances,” March 16, 2022, https://diplomatic.substack.com/p/iaea-dg-think-were-on-the-verge-of?s=r.
39 Laurence Norman, “Iran Nuclear Deal’s Final Hurdle Is Lifting Terrorism Sanctions on Revolutionary Guards,” Wall Street Journal, March 21, 2022, https://www.wsj.com/articles/iran-nuclear-deals-final-hurdle-is-lifting-terrorism-sanctions-on-revolutionary-guards-11647864073.
40 「イラン核合意交渉、早期妥結に暗雲 革命防衛隊めぐり溝」『日本経済新聞』2022年3月29日、https://www. nikkei.com/article/DGXZQOUF286SD0Y2A320C2000000/。
41 Alexander Ward and Nahal Toosi, “Biden Made Final Decision to Keep Iran’s IRGC on Terrorist List,” Politico, May 24, 2022, https://www.politico.com/news/2022/05/24/biden-final-decision-iran-revolutionary-guard-terrorist-00034789.
42 Jennifer Hansler, “US Envoy for Iran Says Prospects for a Return to Nuclear Deal Are ‘Tenuous at Best’,” CNN, May 25, 2022, https://edition.cnn.com/2022/05/25/politics/malley-nuclear-deal-tenuous/index.html.
43 Stephanie Liechtenstein and Nahal Toosi, “U.S. Reacts to Iranian Comments on Draft Nuclear Deal,” Politico, August 24, 2022, https://www.politico.com/news/2022/08/24/u-s-iran-comments-draft-nuclear-deal-00053550.

44 Parisa Hafezi, “Iran Seeks Stronger U.S. Guarantees for Revival of 2015 Nuclear Deal,” Reuters, September 1, 2022, https://www.reuters.com/world/iran-seeks-stronger-us-guarantees-revival-2015-nuclear-deal-2022-08-31/.
45 “Joint Statement by France, Germany and the United Kingdom,” September 10, 2022, https://www.diplomatie. gouv.fr/en/country-files/iran/news/article/iran-joint-statement-by-france-germany-and-the-united-kingdom-10-sept-22.
46 “Blinken Trying to Cover up US Weakness in Reviving JCPOA,” Islamic Republic News Agency, Sep 13, 2022, https://www.globalsecurity.org/wmd/library/news/iran/2022/iran-220913-irna03.htm. 47 Daily Update by Human Rights Activists News Agency, January 1, 2023, https://twitter.com/HRANA_English/ status/1609687669784584194?s=20&t=D-v2Y5enP_ryRYWqlKqvOA
48 Omri Nahmias, “US Iran Envoy on Reviving the Iran Deal: ‘Right Now It’s Not Even on the Agenda, Not the Focus,’” Jerusalem Post, October 17, 2022, https://www.msn.com/en-ca/news/world/us-iran-envoy-on-reviving-the-jcpoa-right-now-its-not-even-on-the-agenda-its-not-the-focus/ar-AA134xwT.
49 Josep Borrell, “Iraq – More Than a Linchpin, Can Actively Contribute to Regional Stability,” European Union External Action website, 23 December 2022, https://www.eeas.europa.eu/eeas/iraq-%E2%80%93-more-linchpin-can-actively-contribute-regional-stability_en.

50 See tweet by Abas Aslani, 20 December 2022, https://twitter.com/AbasAslani/status/1605144347326181376?s= 20&t=P-w1jXTHk6ZUtdv0QtLASQ.
51 Natasha Bertrand, “Exclusive: Iran Is Seeking Russia’s Help to Bolster Its Nuclear Program, US Intel Officials Believe,” CNN, November 4, 2022, https://edition.cnn.com/2022/11/04/politics/iran-russia-nuclear-program/ index.html.
52 NPT/CONF.2020/WP.58, June 3, 2022.
53 NPT/CONF.2020/WP.3/Rev.1, June 20, 2022.

54 Zachary Cohen, “US Intel and Satellite Images Show Saudi Arabia is Now Building Its Own Ballistic Missiles with Help of China,” CNN, December 23, 2021, https://edition.cnn.com/2021/12/23/politics/saudi-ballistic-missiles-china/index.html.
55 U.S. Department of State, “Adherence to and Compliance with Arms Control, Nonproliferation, and Disarmament Agreements and Commitments,” April 2022, p. 18.
56 Parisa Hafezi, “Khamenei Adviser Says Tehran ‘Capable of Building Nuclear Bomb,’ Al Jazeera Reports,” Reuters, July 18, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/khamenei-adviser-says-tehran-capable-building-nuclear-bomb-al-jazeera-2022-07-17/.
57 “Address by the President of the Russian Federation,” February 24, 2022, http://en.kremlin.ru/events/president/ news/67843.
58 Emma Farge, “Russia Says ‘Real Danger’ of Ukraine Acquiring Nuclear Weapons Required Response,” Reuters, March 1, 2022, https://www.reuters.com/world/russias-lavrov-says-there-is-danger-ukraine-acquiring-nuclear-wea pons-2022-03-01/.

59 “IAEA Director General’s Introductory Statement to the Board of Governors,” March 2, 2022, https://www.iaea. org/newscenter/statements/iaea-director-generals-introductory-statement-to-the-board-of-governors-02-03-2022.
60 “Russia, without Evidence, Says Ukraine Making Nuclear ‘Dirty Bomb,’” Swissinfo, March 6, 2022, https://www. swissinfo.ch/eng/russia–without-evidence–says-ukraine-making-nuclear–dirty-bomb-/47406640 などを参照。
61 GOV/2022/17, March 3, 2022.
62 “Political Ally Motivated Lies: What Consequences Can the Anti-Russian Resolution of the IAEA Lead to,” March 5, 2022, https://www.tellerreport.com/news/2022-03-05-%E2%80%9Cpoliticalally-motivatedlies% E2%80%9D–what-consequences-can-the-anti-russian-resolution-of-the-iaea-lead-to.r1Zbq4clZ5.html.
63 “Moscow Warns Kiev Preparing to Detonate Dirty Bomb or Low-yield Nuclear Weapon on Its Own Territory,” Newsroom Odisha, October 23, 2022, https://newsroomodisha.com/moscow-warns-kiev-preparing-to-detonate-dirty-bomb-or-low-yield-nuclear-weapon-on-its-own-territory/.
64 IAEA, “IAEA Director General Statement on Situation in Ukraine,” November 3, 2022, https://www.iaea.org/ newscenter/pressreleases/update-123-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine.

65 A/RES/53/77D, December 4, 1998.
66 Allison Pytlak, “Main Committee II: Thematic Exchange,” NPT News in Review, Vol. 17, No. 5 (August 13, 2022), p. 32.
67 A/CONF.236/2022/3, November 21, 2022.
68 “Statement by Israel,” General Debate, UNGA First Committee, October 7, 2022.
69 A/RES/77/38, December 7, 2022.

70 NPT/CONF.2020/18, March 20, 2020.

 

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