当サイトを最適な状態で閲覧していただくにはブラウザのJavaScriptを有効にしてご利用下さい。
JavaScriptを無効のままご覧いただいた場合には一部機能がご利用頂けない場合や正しい情報を取得できない場合がございます。

国際平和拠点ひろしま

「若者たちのピース・キャラバン」
参加者インタビュー




 へいわ創造機構ひろしま(HOPe)はG7広島サミットの成果を受け、広島を中心とした若者をG7各国に派遣する「G7広島サミット レガシー・プロジェクト「若者たちのピース・キャラバン」」を実施しました。2023年10月末~12月上旬、全15人の若者が5人ずつ3つのグループ(イギリス・フランスコース、アメリカ・カナダコース、ドイツ・イタリアコース)に分かれてそれぞれの地域を訪問。現地の学生との交流や被爆の実相、G7広島サミットの成果等に関するパネル展を行いました。今回は2名の参加者にピース・キャラバンの体験についてお聞きしました。


お話を伺った小田珠々乃(おだ・すずの)さん(左)と奥田弥陽乃(おくだ・ややの)さん(右)


【アメリカ・カナダコース】

奥田弥陽乃さん(広島大学 総合科学部総合科学科1年)




私は大分県出身で2023年4月に広島に来ました。以前から国際的な活動に興味があり、夏休みに広島大学で行われた国際交流プログラム「INU学生セミナー」にも参加したんです。その中では模擬国連が開催され、政治的な場で発言することの重要性を痛感しました。このプロジェクトも若者と対話する機会が多く用意されていると聞いて応募しました。

 一番印象に残っているのはミドルベリー国際大学院モントレー校でプレゼンテーションを行ったことです。その時、「外国では日本人全員が核兵器の問題に関心を持っていると思われてる」と感じたんです。私は大分出身なので大分と広島の核に対する意識の違いを知っています。でも現地では「日本人が核兵器の恐ろしさを伝えないで誰がやるの?」と言われて……。今後は日本全体で核問題に取り組む姿勢が大事だと思いましたし、それを若い人に伝えていく平和教育の必要性も感じました。

 あと、カナダのバンクーバーでは現地の若者と意見を交わす対話型ワークショップに参加しました。私は模擬国連の経験を話しましたが、グループの中にはY7(G7の公式付属会議で各国を代表する若者が参加)のメンバーとしてG7広島サミットに先駆けて広島に来た人もいたんです! 彼らは「若者が議論して一緒に考えようとする姿勢が大事」と言っていました。





今回キャラバンで学んだのは、世界には解決しないといけない問題が数多くあるけど、そうした問題はバラバラではなく必ずどこかでつながっているということです。ワークショップでも関心事はみんな違っていても似てる部分があったり、誰かの知識を借りて解決できることがありました。私は将来、政治や組織に影響を与えられるよう自身の発言力を高めていきたいと思っていますが、こうしたプログラムがあれば、引き続き参加したいです。


【ドイツ・イタリアコース】

小田珠々乃さん(広島市立舟入高等学校 普通科国際コミュニケーションコース3年)

 


私は広島生まれ広島育ちですが、平和教育にずっと苦手意識がありました。幼少期に観た原爆の映画がショックで、それ以来向き合うことを避けてきたんです。でも将来海外で活躍したいと思った時、広島に生まれたからには核の問題は避けて通れないと感じて今回応募を決意しました。

 私が参加したドイツ・イタリアコースは戦争の負の歴史にどう向き合うかというテーマがありました。ベルリンとミラノの学校で原爆被害のパネル展や対話イベントを行いました。驚いたことは2つあって、1つめは「原爆投下にはどんな意味があったのか?」という質問に「戦争を終わらせるため必要だった」と答えた人がいて、その意見を直接聞いたのは初めてだったので、そこから「戦争の犠牲者とは誰なのか?」という新しい問いが生まれました。あとイタリアの高校では「科学者が今後、生物や化学兵器になりうる原料等を偶然発見した時、いつその研究をやめるべきか?」という質問が出て、そういう視点は初めてで考えさせられました。

 他に印象的だったのは戦争の記憶の残し方です。ドイツの博物館では公衆の面前で女性が髪の毛を剃られる写真がそのまま展示してあって驚きました。ミラノ中央駅にある「ショア記念館」でもガイドの方が「ここは記憶するための場所」と言っておられて、犯してしまった戦争犯罪を決して風化させないという強い意志を感じました。





今回学んだのは、学び方は1つじゃないということです。そして同じ世代でも国が違えば意見や宗教も違って、そういう人たちと1つの答えを出さなければいけない時はみんなが少しずつ歩み寄ることが大切だと感じました。将来は庭田杏珠(にわた あんじゅ)さん(戦争に関わるモノクロ写真をカラー化する「記憶の解凍」プロジェクトに取り組む)のようにアートや音楽等、様々な方法で平和を発信している方と、平和について学びたい方の橋渡しをしたいと思っています。


【関連記事】G7広島サミット レガシー・プロジェクト 「若者たちのピース・キャラバン」

https://hiroshimaforpeace.com/g7summitlegacyproject/

この記事に関連付けられているタグ