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国際平和拠点ひろしま

The present issue of nuclear weapons現在を知る – 核兵器の状況

核兵器の数は,冷戦期のピーク時に70,000発に達した。1980年代以降着実に減少してきたが,2019年1月時点でも13,865発の核兵器が依然として世界に存在し,このうちの90%以上をアメリカとロシアが保有しているとされている。2017年に核兵器禁止条約が成立し,核兵器廃絶への機運が高まった一方で,核兵器国は核兵器とこれを搭載するミサイルなど運搬手段の性能・威力向上(近代化)を続け,国家の安全を守るうえで,核兵器による抑止力を働かせることが依然として必要不可欠であると位置づけ,その役割を改めて重視している。

世界の核兵器保有数の推移(1945-2019)
2019年の核兵器保有国及びその数

1945年 アメリカが世界で初めての核実験を実施

1945年8月6日 広島に原子爆弾投下

被爆後の産業奨励館(現,原爆ドーム)
撮影/川本俊雄氏  提供/川本祥雄氏

1945年8月9日 長崎に原子爆弾投下

1949年 ソ連が初めての核実験を実施

1949年8月29日にセミパラチンスク(カザフスタン)核実験場で行われた。1991年8月29日に閉鎖されたことを記念して,8月29日は国際連合の「核実験に反対する国際デー」となっている。

1952年 英国が初めての核実験を実施

1957年 国際原子力機関(IAEA)発足

原子力の平和的利用を促進するとともに,原子力の軍事的利用への転用を防止することを目的に発足。

1960年 フランスが初めての核実験を実施

1964年 中国が初めての核実験を実施

1968年 核兵器不拡散条約(NPT)成立

NPTとは,Nuclear Non-Proliferation Treatyの略称で,核兵器不拡散条約を指す。冷戦期,核兵器廃絶に関する交渉が進まず,他方で核兵器の新たな取得を模索する国,あるいは核兵器を製造する潜在能力を持つ国が増えるなかで,まずは核兵器の拡散を防止することが核兵器の廃絶につながるとの考えのもと,1968年に成立,1970年に発効。核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用を三本柱とする、核不拡散体制の中心的存在。(https://hiroshimaforpeace.com/npt/

1974年 インドが初めての核実験を実施

1990年 南アフリカ共和国が核兵器を全て解体

1970年代から1980年代に核兵器を製造していたが,1990年に全てを解体し,1991年にNPTに批准した。

1993年 クリントン米大統領(当時)が核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)を提案

核兵器用の核分裂性物質(高濃縮ウラン,プルトニウム等)の生産を禁止することにより,核兵器の数量増加を止めることを目的としている。1995年NPT運用検討・延長会議で採択された「原則及び目標」では,ジュネーブ軍縮会議(CD)におけるFMCTの即時交渉開始及び早期締結が目標に掲げられた。しかしながら,現在に至るまで条約交渉は開始されていない。

1994年 第1次戦略兵器削減条約(START I)発効

米国とソ連(署名当時)が配備する大陸間弾道ミサイル(ICBM),潜水艦発射弾頭ミサイル(SLBM)及び重爆撃機の運搬手段の総数を,条約の発効から7年後にそれぞれ1,600基(機)へ削減することを規定した条約。START Iのプロセスの結果,戦略核弾頭数は冷戦期の約60%となった。

1996年 包括的核実験禁止条約(CTBT)が国連で採択

宇宙空間,大気圏内,水中,地下を含むあらゆる空間における核兵器の実験的爆発及び他の核爆発を禁止。2019年末の時点で184か国が署名,168か国が批准。条約の発効に必要な国として特定された44か国のうち,5か国(中国,エジプト,イラン,イスラエル,米国)の未批准並びに3か国(インド,パキスタン,北朝鮮)の未署名が続いているため,条約は発効していない。

1998年 パキスタンが初めての核実験を実施

2006年 北朝鮮が初めての核実験を実施

2011年 新戦略兵器削減条約(新START)発効

米国とロシアによる核軍縮の枠組みで,2018年までの両国の戦略核弾頭の配備数などの削減を定めている。2021年2月に条約の期限を控えており,その後の二国間核軍備管理の在り方に注目が集まっている。

2016年 オバマ大統領の広島訪問(現職の米大統領として初めて広島を訪問)

広島県は,被爆の実相を理解していただくため,世界の政治指導者に被爆地訪問を呼びかけている。2016年5月27日オバマ大統領の広島訪問が実現(https://hiroshimaforpeace.com/obama/

2017年 核兵器禁止条約(TPNW)成立

核兵器禁止条約の成立に貢献したとしてノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶キャンペーン)と広島県は覚書を締結し,人材育成事業に取り組んでいる。

締約国による核兵器その他の核爆発装置(以下、核兵器)の(a) 開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、(b) 移転、(c) 受領、(d)使用または使用の威嚇、(e) 禁止された活動の援助、奨励、勧誘、(f) かかる援助の要求・受諾、(g) 領域内などへの配置、設置または配備の禁止が規定された。2020年4月8日時点の批准国は36か国であり,条約の発効に必要な批准国50か国を満たしていないため未発効。(https://hiroshimaforpeace.com/tpnw2019-11/

2019年8月 中距離核戦力(INF)全廃条約失効

核軍縮分野において特定兵器の全廃を史上初めて盛り込み,冷戦終結を後押しした条約。代替え措置なしの失効に新たな核軍拡競争の始まりと核兵器使用のリスクの高まりが危惧される。

2019年11月 ローマ教皇フランシスコ台下広島訪問

38年ぶりにローマ教皇が被爆地を訪問。核兵器廃絶に向けたメッセージを発信(https://hiroshimaforpeace.com/popesvisit/

2020年8月 被爆から75年

本記事は,外務省ウェブサイト(https://www.mofa.go.jp),核兵器のない世界へ向けて(ひろしまレポート2020小冊子),ひろしまレポートを参考に作成

このページに関連する情報

核兵器のない世界へ向けて(ひろしまレポート小冊子)

核軍縮等に関する「ひろしまレポート2020年版」の発表

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